
ポケモン30周年で越境ECを加速-名古屋のフルアヘッド、eBayに出店
トレーディングカードの専門事業者フルアヘッド(名古屋市)が6月30日、越境ECプラットフォーム「eBay」に出店し、イーベイ・ジャパンは7月30日、同社の1カ月集計で、関連カテゴリーの流通額が前年比約1.74倍に伸びたと伝えた。世界市場では日本発のトレカ需要が拡大しており、2026年に節目を迎えるポケモン関連商品への関心も追い風となる。海外バイヤーとの取引拡大に向けた新たな販路開拓の動きとして注目される。
世界で拡大する日本発トレカ需要
フルアヘッドがeBayへの出店を始めたのは6月30日。日本のセラー(出品者)による海外販売を支援するイーベイ・ジャパンが7月30日に明らかにした。同社はトレーディングカードの通販・買取を軸に、店舗運営やイベント・大会事業も手がける専門事業者で、42万点を超える取扱品と検品体制を強みとし、これまで国内が中心だった販売を海外へ広げる。
日本発のトレーディングカードは近年、海外市場で需要が急速に高まっている。イーベイ・ジャパンがまとめた「2025年間 越境ECレポート」によると、「トレーディングカード/スポーツトレーディングカード」の流通は前年比で約1.74倍に拡大した。作品やキャラクターへの愛着、希少カードを探す収集の楽しみが、日本文化を象徴する商材として世界のファンを引き付けている。
ポケモン30周年が需要の追い風に
需要拡大の背景には、ポケモン関連商品の存在がある。ポケモンは『ポケットモンスター 赤・緑』の発売から30年となる節目を2026年2月に迎えた。カードゲームも同年10月に30周年を迎え、記念拡張パック「30th CELEBRATION」など特別商品が9月以降に世界同時発売される予定だ。こうした記念商戦は既存ファンの収集意欲を刺激するだけでなく、過去に離れた層の回帰も促す。
節目に合わせた新商品の投入は二次流通市場にも波及する。記念仕様のカードは発行枚数が限られるものが多く、コレクション需要から取引価格が維持されやすい傾向がある。国内の潤沢な在庫を海外に振り向ける動きは、こうした市場環境と重なる。
越境ECの物流と規制が課題に
一方で、越境ECには物流や制度面の課題が伴う。カード類は破損や折れを避ける梱包が求められ、国際配送では追跡や補償の付いた輸送手段の選択が重要となる。高額取引では真贋の保証やグレーディング(第三者機関による状態評価)の有無が価格を左右する。
制度面では、輸出入に関わる関税や、仕向け地ごとに異なる消費課税の扱いへの対応が欠かせない。欧州連合(EU)向けでは付加価値税(VAT)の徴収・申告義務があり、越境ECを本格展開する事業者には煩雑な実務が生じる。フルアヘッドのeBay店舗は米国向けドメインで運営を始めており、今後どの市場をどう開拓するかが焦点となる。イーベイ・ジャパンは日本セラーの海外販路拡大への支援を続ける方針だ。







