台湾の訪日客向け店舗DXで日台3社が連携 「旅ナカ」決済が帰国後の越境ECの起点に

台湾の訪日客向け店舗DXで日台3社が連携 —「旅ナカ」決済が帰国後の越境ECの起点に

Published On: 2026-10-01|Last Updated: 2026-10-02|Tags: , , , |Categories: ニュース|By |

インタセクトと台湾のターンクラウドなど日台3社は1日、訪日台湾客向けに決済・POS・販促を一体で支援する業務提携を結んだ。店頭で使う決済・会員データは、帰国後の越境ECのリピート購入にもつながる。過去最高の台湾インバウンドを背景に、実店舗と越境ECの境界が薄れつつある。

決済・POS・販促を日台横断で連携

提携したのは、訪日・越境プロモーションを手がけるインタセクト・コミュニケーションズと、店舗DXソリューションを開発する台湾のターンクラウドの日本法人の3社で、10月1日に発表した。連携するのは、QRコードやクレジットなどのキャッシュレス決済、ポイント還元などの消費者還元事業、小売・飲食向けPOSシステム、台湾など海外市場向けのデジタル広告・送客といったインバウンドプロモーションの4領域だ。

台湾のターンクラウドがPOSや決済、会員管理などの基盤を開発・供給し、インタセクトが日本側の営業と導入、販促の実行を担う。決済の導入だけでなく、店舗運営の効率化から海外からの送客までを一つの枠組みで扱う。

台湾訪日客、初の月70万人超

背景には、台湾を中心とした訪日需要の高まりがある。日本政府観光局(JNTO)によると、2026年7月の訪日外客数は344万2,100人と、7月として過去最高を記録した。このうち台湾は76万3,800人(前年同月比26.4%増)と単月で過去最高を更新し、初めて70万人を超えた。

韓国に次ぐ2位の市場で、中国が同56.1%減と落ち込むなか、東アジアの訪日需要を牽引している。一方、受け入れる小売・飲食の現場は人手不足が続く。決済や店舗運営の効率化と客単価の引き上げを両立する手段として、店舗DXへの需要が強まっている。

「旅ナカ」から「旅アト」へ、越境ECの起点に

こうした店頭のデジタル化は、越境ECとも地続きだ。訪日客は、旅行前にSNSで情報を集め、滞在中(旅ナカ)に実物を確かめて購入し、帰国後(旅アト)に越境ECで再び買う、という流れをたどりやすい。JTB総合研究所の調査では、訪日客の88.8%が帰国後も日本の土産物を購入し、台湾の旅行者は帰国後、訪れた店や街のECサイトを使う傾向が強いとされる。

民間調査でも、旅アトのリピート購入意向は9割を超える。店頭の決済や会員データを旅ナカで押さえることは、帰国後の越境ECへ顧客をつなぐ接点になる。インバウンドの実店舗消費と越境ECは、もはや別々の市場ではなく、一人の消費者の連続した購買行動として設計する対象へと変わりつつある。

Intersect and Taiwan’s TurnCloud, along with another Japanese company, have formed a partnership to support Taiwanese tourists in Japan through integrated payment, POS, and promotional services. This collaboration aims to link in-store payment data with future cross-border e-commerce purchases, reflecting the growing demand for inbound tourism from Taiwan, which recently saw record visitor numbers. As digitalization in retail continues, the lines between in-store shopping and e-commerce are becoming increasingly blurred.

 

この記事を書いた人

森 茂樹

元Web3ニュースメディア編集長。日本とオーストラリアで20年以上にわたり、記者・編集者、翻訳者、Webプロデューサーとして活動。日本ではエンターテインメント「ザテレビジョン」(KADOKAWA)ほか、豪州では「日豪プレス」の記者・編集者として従事した。

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