
中国人観光客の国慶節訪日、地方特化型倍増と旅アト需要への期待
中国在住者を対象にした調査で、10月1日から始まる「国慶節」の大型連休中に日本を旅行先に選ぶ人の割合が14.1%となり、海外旅行先としての順位は5位に後退したことが24日、分かった。前回の春節(15.0%、3位)からの下落幅は0.9ポイントにとどまり、下落ペースは鈍化している。訪日予定者の6割超はリピーターで、訪問エリアは大都市集中型と地方特化型に二極化する傾向が強まっている。
中国人観光客の目的地選び、上位5カ国・地域の差はわずか6.3ポイント
調査はインタセクト・コミュニケーションズが8月17日から20日にかけて実施した。中国10都市の5,471人から回答を得て、このうち国慶節期間(10月1日~7日)に海外旅行を予定する2,412人に旅行先を尋ねたところ、最多は韓国の20.4%で、欧州17.7%、東南アジア17.2%、オーストラリア15.2%、日本14.1%と続いた。上位5つの差は6.3ポイントに収まり、特定の国・地域に人気が集中しない状況になっている。
前年の国慶節では上位3カ国・地域だけで全体の65.1%を占めていたのに対し、今回はより分散した結果となった。日本の順位自体は前年の国慶節(1位)から後退したが、下落幅は縮小しており、他の旅行先の選択肢が広がるなかで、日本が急速に選ばれなくなっているわけではないことがうかがえる。
地方特化型の旅、春節比でほぼ倍増
訪日を予定する341人の訪問エリアを見ると、「ゴールデンルートのみ(東京・富士山・京都・大阪など)」が49.0%で最多となり、「地方都市・リゾート地がメイン」が24.6%、「両方を周遊」が26.4%と続いた。春節時の調査と比べると、「両方を周遊」が48.5%から26.4%へ大きく減り、「ゴールデンルートのみ」は39.2%から49.0%、「地方特化型」は12.4%から24.6%へとそれぞれ増加している。

周遊型が減り、都市集中型と地方特化型のいずれかに絞る二極化が進んだ形だ。訪日理由では「日本独自の文化・芸術への関心」が44.3%で最多だったが、春節時の55.9%からは低下し、「以前の旅行が良かった(リピート)」27.6%、「円安による割安感」16.4%は、いずれも春節時より高い割合になった。
免税店消費は2割弱、鍵は「旅アト需要」の開拓―“モノより思い出”に
滞在中に予算を割く体験を複数回答で聞いたところ、「地方の高級温泉旅館」が45.2%で最多となり、「アニメ・ドラマの聖地巡礼」36.7%、「地方の祭事・季節イベント」30.5%が続いた。一方、「百貨店・免税店でのショッピング」は18.5%にとどまり、日常生活の体験では「地元の食堂・居酒屋の利用」56.0%、「商店街や路地の散策」50.1%が上位に入った。訪日中の「その場買い」よりも、体験や地域の日常を重視する傾向がうかがえる。

民間調査会社プラネットによれば、訪日経験のある中国本土の18~59歳1,118人を対象に実施した調査(2026年1月26日~2月5日)において、家庭で普段購入・利用している日本製品の入手方法として、化粧品で49.4%、食品で45.4%、日用品で43.4%が「越境ECサイトで購入」と回答した。同社は、訪日中に気に入った商品を帰国後もECサイトを通じてリピート購入している実態がうかがえるとしている。
免税店での購入が2割弱にとどまり、地方の体験への関心が高い今回の結果を踏まえると、訪日中に消費を完結させない中国人観光客にとって、帰国後の越境ECが相対的に大きな受け皿になる可能性がある。
11月の新免税制度は、「旅アト」需要の追い風に
観光庁は2026年11月1日から、外国人旅行者向けの消費税免税制度を「リファンド方式」に移行する。免税店での購入時にその場で消費税を差し引く現行の仕組みから、税込価格で購入し出国時の税関確認後に返金を受ける仕組みに切り替わる。購入者にとっては会計時の即時的なメリットが薄れる変更だ。
免税店での購入を優先事項に挙げた人が2割弱にとどまった今回の結果と、11月からの手続き変更が重なれば、店頭消費よりも帰国後に商品を探して購入する「旅アト」型の消費が相対的に伸びる可能性は高い。
他方、今回人気を集めた地方の温泉旅館や地元の食堂といった提供元は、越境ECへの対応や店舗から購入経路への誘導が整っていない事業者が多いとされ、この需要をどこまで取り込めるかは事業者側の対応次第となる。
A recent survey revealed that 14.1% of respondents in China plan to travel to Japan during the upcoming National Day holiday, placing Japan fifth among international travel destinations. While the popularity of Japan has declined from previous years, it has not dropped significantly. There is a notable shift toward rural and local experiences, with an increased interest in cultural and experiential activities rather than shopping, as well as a potential rise in cross-border e-commerce consumption after travel.




