
化粧品の中国越境EC、NMPA規制を避ける無料テスト販売サービスを始動
中国マーケティング支援のFindJapanは10日、日本の化粧品ブランドを対象に、自社が運営する抖音(ドウイン)の越境EC店舗で商品を約3カ月間販売し、結果を報告する「中国向けテスト販売サービス」を始めた。
通常30万円の料金を「日本ブランド応援枠」として当面無料とし、受け入れは毎月5ブランドまでの審査制とする。テスト用サンプルの現物提供のみを求め、在庫の買い取りや期間終了後の継続契約は義務づけない。
現金負担なしで中国の売り場に並べる仕組み
同サービスでは、同社が運営する抖音の越境EC店舗にブランドの製品を並べ、実際の販売実績を測る。あわせて口コミプラットフォームのRED(小紅書)で製品を紹介し、認知の蓄積も図る。出品や中国語の商品ページ制作、広告運用、通関・保税倉庫への登録、国際・国内物流、成分・薬事チェックまでを同社が一括して担う。
ブランド側は現金負担なしに、表示回数やクリック数、購入数といった売り場の実データを得られる。同社は2010年の創業以来、中国マーケティングを専門としてきた事業者で、今回のサービスをテスト結果に応じた本格展開までの入り口と位置づける。
化粧品輸入で分かれる一般貿易と越境ECの2ルート
背景には、日本の化粧品ブランドが中国本土で販売を始める際の投資判断の難しさがある。中国で化粧品を売るルートは大きく2つに分かれる。1つは一般貿易で、この場合は国家薬品監督管理局(NMPA)への登録・届出が販売前に義務づけられる。特殊化粧品は登録、普通化粧品は届出(備案)が必要で、成分表や中国語ラベル、安全性評価資料などの提出を求められ、市場の反応を確かめる前に時間と費用の先行負担を迫られる。
もう1つが越境EC(跨境電商)で、中国の消費者が海外から個人輸入する形態と位置づけられ、NMPAの登録・届出が原則として免除される。今回のサービスはこの越境ECルートを用いることで、登録に伴う先行負担を回避する設計だ。
NMPA登録免除に伴う要件と取引上限
ただし、免除は無条件ではない。ジェトロによれば、優遇の適用には、購入者が個人使用目的であること、税関が注文・決済・物流の3つの電子情報を追跡できるルートを経ること、「越境EC小売輸入リスト」(ポジティブリスト)掲載品であること、などの要件を満たす必要がある。
取引額にも上限があり、1回あたり5,000元、年間累計26,000元を超えると一般貿易として通常の関税・増値税が課され、成分表の提出や許認可の事前取得が求められる。
越境ECの登録免除は、こうした個人輸入の枠内でのみ成り立つ緩和措置だ。試験販売で手応えを得た後に本格展開へ移る場合、一般貿易ルートでの登録が改めて必要になる点も、事業者は見込んでおく必要がある。




