
越境EC、「売れるまで」と「売れてから」で成功要因は異なる=JETRO、1259社分析を発表
JETRO(ジェトロ:日本貿易振興機構)は14日、海外向け電子商取引(越境EC)で成果を上げる企業の特徴に関する分析結果を伝えた。米アマゾンと連携する海外販売支援事業に参加する1,259社の調査に基づくもので、明治大学の奥山雅之教授が分析した。企業の準備が進む段階と、実際に売り上げが生じる段階とでは、成功の要因が異なると指摘している。
越境ECの成功要因、準備と成果の段階で相違
今回の分析は、ジェトロと米アマゾンが連携する海外販売支援事業「JAPAN STORE」の参加企業を対象とした。越境ラボの顧問を務める明治大学・奥山雅之教授は8月28日、「中小企業の海外展開は何で決まるのか」と題し、越境ラボ、ジェトロ、同研究室が共催したセミナーでその結果を示した。
奥山教授によると、海外販売の成功は「参入すれば売り上げが立つ」という単純な図式では説明できない。出品などの取り組みが進む段階と、実際に売り上げが生じる段階との間には「見えない壁」があり、それぞれで成果を左右する要因が異なるという。両段階を地続きと捉えると、準備が進んでも成果に結びつかない要因を見落としかねない。
国際化経験と実務蓄積が成果を左右
分析結果を見ると、出品や販売の準備を進める段階では、海外での経験や実務のノウハウを持つ企業ほど、着実に前に進んでいた。狙う市場や客層を具体的に絞り込む力(STP=セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニング)、海外展開を長期的な戦略として捉える姿勢も、準備を後押ししていた。反対に、人手や資金が足りない企業ほど、準備が停滞する傾向にあった。
一方、実際に売り上げが生まれる段階では、海外での経験や実務のノウハウがやはり重要な要因となった。加えて、人手や資金の制約を抱える企業でも、それが直ちに不利にはならず、むしろ売り上げの伸びに結びつく傾向も見られた。奥山教授は、制約そのものが成果を生むわけではなく、制約を強く意識した企業ほど課題に気づき、改善に動いた結果ではないかとみている。

越境ECの準備力診断ツールを開発中
奥山教授は実務上の示唆として、準備の段階では販売先の市場選定や客層の設定、競合との違いを明確にする差別化の検討が重要だと述べた。売り上げの段階では、顧客の反応や物流上の課題といった想定外の事態に対応しながら、手元の資源で小さく試し、改善を重ねる姿勢が要ると指摘した。
セミナー後半の討議では、越境ラボの安田哲理事長や岡田昇理事が加わり、企業間取引か消費者向けかを問わず、現地の生活習慣や嗜好に合わせたローカライズと、計画性を保ちつつ試験的な販売を重ねる長期的な視点の重要性を強調した。
越境ラボは、この分析をもとに企業が自社の取り組み状況を測る準備力診断ツール(α版)の開発を進めていることも明らかにした。同ツールは企業の現状把握や支援方針の検討に役立てることを想定しており、回答データを蓄積し、検証を続ける方針だ。
JETRO’s analysis highlights the distinct factors influencing success in cross-border e-commerce during different stages, from preparation to actual sales. It emphasizes the importance of international experience and practical know-how, while also noting that constraints can lead to better awareness of challenges and drive improvements. A new diagnostic tool is being developed to help companies assess their readiness for international expansion.




