
アマゾンとペイパル、独墺で分割後払い―最長48カ月
米ペイパルと米アマゾン・ドット・コムはこのほど、ドイツとオーストリアで分割後払いサービス「PayPal Ratenzahlung」の提供を始めると発表した。8月から数週間かけて、両国の対象顧客がアマゾンのドイツ向けサイト「Amazon.de」と専用アプリの決済画面で利用できるようにする。
対象となるのは30ユーロから1万ユーロまでの買い物で、毎月定額で支払う。分割回数は3・6・12・24カ月に加え、アマゾン顧客向けには36・48カ月という長期の設定も新たに用意した。実質年率は11.49%。支払いは銀行口座やデビットカードから自動で引き落とされ、繰り上げ返済や一括返済も追加費用なしでいつでもできる。
ペイパルのドイツ・オーストリア・スイス担当責任者は、後払いが消費者に定着するなか、世界最大のEC事業者を通じてサービスを広げる重要な節目だと説明した。アマゾンのDACH(独墺スイス)地域責任者も、明確な条件で予定通りに支払える点を利点に挙げた。
ドイツは請求書払いや分割払いの文化が根強く、後払い決済の普及度が高い。ペイパルの利用者は独墺で4,000万人を超えており、アマゾンでの導入で利用の裾野がさらに広がるとみられる。
日本でも、アマゾンはすでに後払い(BNPL)を取り入れている。「Amazon.co.jp」ではペイディと連携し、翌月あと払いのほか3回・6回の分割払いを分割手数料無料で提供する。ただ日本が最長6回・無金利の短期型であるのに対し、独墺は最長48カ月・年率約11.5%の長期与信型となり、市場ごとに提携先や条件が大きく異なる。
【キーワード】BNPL(後払い決済)
「Buy Now, Pay Later(今買って、後で払う)」の略。商品購入時に代金を支払わず、後日にまとめて、または分割で支払える決済方法だ。クレジットカードと異なり、多くはカードや複雑な審査が不要で、スマホと個人情報の入力だけで使える手軽さが特徴となる。支払額が明確で分割手数料を無料にする例も多く、金利や利息への不安からカードを敬遠する層や、ミレニアル・Z世代を中心に支持を広げている。
世界のBNPL決済額は2025年に約5,600億ドルに達したとされ、年10%前後の成長が続くと予測される。発祥地の北欧ではスウェーデンのクラーナ(Klarna)が普及し、オーストラリアではアフターペイ(Afterpay)、米国ではアファーム(Affirm)が浸透。請求書払いや分割払いの文化が根強いドイツでも定着している。日本ではペイディが代表格で、国内市場は拡大が続いている。







