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ブラジル、越境ECの免税・減税を法制化―50ドル以下は0%、一部プラットフォームに限定

Published On: 2026-09-18|Last Updated: 2026-09-21|Tags: , , |Categories: インサイト|By |

ブラジルは2026年9月10日、国際郵便・国際宅配便の簡易課税制度を改正する法律第15,502号を公布した。越境ECの輸入税率を財務相が引き下げられる枠組みを恒久法に移し、レメッサ・コンフォルメ参加事業者を通じた50ドル以下の購入には0%を適用する。レメッサ・コンフォルメは、ブラジル政府(財務省・収税局)が導入した越境EC(電子商取引)向けの税制優遇・管理プログラム。

米国が少額輸入品の免税措置を停止し、EUも免税枠の撤廃を進めるなか、ブラジルは一定の条件下で税負担を軽減する対照的な対応に踏み切った。
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ブラジル越境EC税制、参加事業者経由で50ドル以下を免税

法律第15,502号は、財務相が50ドル以下の輸入税率を0%まで、3,000ドル以下を30%まで引き下げられると定めた。前身は5月12日公布の暫定措置令第1,357号で、連邦議会の承認を経て法律に転換された。実際の税率は同日付の財務省令第1,342号が設定している。

レメッサ・コンフォルメに登録されたECサイトを通じて購入した50ドル以下の商品には、輸入税率0%を適用する。認証事業者一覧には、AliExpress、Amazon、SHEIN、Shopee、Temu、iHerbなどが、レメッサ・コンフォルメ参加事業者として登録されている。50ドル超3,000ドル以下の商品については60%から30ドルが控除される。未登録サイトには金額を問わず原則60%を課す。認証事業者であっても州税(ICMS)は免除されず、税率は州により17~20%となる。

インフォグラフィック|ブラジルの越境ECの輸入減減免

免税措置の背景

米国が少額輸入品の免税措置を停止し、EUも150ユーロ以下の関税免除撤廃を決定する一方、ブラジルの措置は認証制度への参加を条件とする点で異なる。

ブラジル政府が公表した暫定措置令第1,357号の理由書によると、税率優遇を通じて商品・取引情報の事前提出や税金の購入時徴収を促し、荷物の追跡性を高める狙いがある。過少申告、発送元の隠蔽、人為的な分割発送などの抑制も目的に掲げた。政策の実態は、小口貨物を一律に免税とするのではなく、税関管理に協力する事業者の取引を減税する仕組みである。

連邦議会のレイラ・バロス上院議員の意見書は、海外旅行者には1,000ドルの連邦税免税枠がある一方、渡航しない低所得層には同様の購入手段がないと説明する。低価格商品を利用する世帯への配慮も背景にある。

一方、法律第15,502号は、財務省に雇用や国内産業、税収への影響を定期評価させるほか、利用回数・数量の制限や商用目的の分割発送を防ぐ権限を設けた。ICMSも引き続き課税し、国内産業への影響を抑える措置を組み合わせている。

プラットフォームの管理責任も強化

法律第15,502号は税率の枠組みに加え、登録プラットフォームや物流事業者に販売者の追跡、異常な発送パターンの監視、取引記録の保存を求めた。違法品や知的財産権を侵害する商品の出品防止策、当局への情報提供、四半期報告も義務付ける。

希少疾患や顧みられない疾病の治療に使う国内代替品のない医薬品は、個人使用であれば価格にかかわらず輸入税を0%とする規定も加えた。他方、ブラジル全国工業連盟(CNI)は、低価格輸入品の免税が国内の製造業や雇用に影響すると反発している。新法は財務省に制度の経済効果を定期的に検証するよう求めた。

ブラジル向け越境ECは、認証済みプラットフォームの活用が選択肢に

今後ブラジル向けの販売を検討する事業者は、購入者の税負担や通関手続きの予見可能性を踏まえ、まずはレメッサ・コンフォルメの認証を受けたプラットフォームの利用を優先的に検討するのが現実的である。

一方、プラットフォームとして同制度へ参加する場合は、ブラジル連邦歳入庁への認証申請が必要となる。対象はブラジル国内外のEC事業者で、認証申請の公式案内によると、申請書に加え、郵便・国際宅配事業者との契約書、販売ページと配送ラベルのひな型、税関・税務コンプライアンス体制、出店者の審査・監視方針などを提出する。外国企業には、ブラジル国内における代理権限を証明する書類も求められる。

認証後は、購入時の税額表示・徴収や商品情報の事前提供など、制度が定める運用要件を継続して満たす必要がある。

On September 10, 2026, Brazil enacted Law No. 15,502, which revised the simplified taxation system for international mail and express shipping, introducing a 0% import tax for purchases under $50 through certified participants of the Remessa Conforme program. This contrasts with the U.S. and EU’s moves to eliminate tax exemptions for low-value imports. The law aims to enhance compliance and tracking of shipments while considering the impact on domestic industries and employment, requiring regular evaluations by the Ministry of Finance. E-commerce platforms must comply with new management responsibilities to prevent illegal goods and monitor suspicious shipping patterns.

この記事を書いた人

山口 綾乃

関西学院大学にて日本語学・キャッチコピーを専攻後、クリエイティブエージェンシーにて住宅設備・照明・リフォーム業界の販促企画・制作に従事。コピーライター・クリエイティブディレクターの実務で培った編集・調査力、コンテンツマーケティングの知見を掛け合わせた記事制作を行う。

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