
ペットフードを海外で売るには?越境EC戦略・国別市場・手続きまで徹底解説
国内市場が縮小する中、ペットフードの海外市場は拡大しており、越境ECを始めるチャンスが訪れています。都市化の進行やライフスタイルの変化を背景に、特に中国や東南アジアの新興国では、ペットが「家族の一員」として迎えられ、その生活の質を高めるために高品質なペットフードが求められる時代になりました。
こうした背景の中、日本製のペットフードは「安心・安全・高品質」という点で大きなアドバンテージを持っています。添加物を抑えた原材料、衛生的な製造環境、信頼性のあるブランドストーリーは、健康志向やプレミアム志向が高まる海外のペットオーナーから強く支持されています。
本記事では、越境ECでペットフードを販売するための市場知識や戦略、成功のポイントを解説します。
1. 日本のペットフード輸出の現状と、なぜ今越境ECなのか?
農林水産省の公表する輸出実績では、2025年の農林水産物・食品全体の輸出額は1兆7,005億円となり、13年連続で過去最高を更新しました。ペットフードはこの中の一品目として扱われており、輸出拡大の余地がある分野です。
(参照:JETRO|2025年の農林水産物・食品の輸出実績解説)

【市場動向】
- 現在の輸出実績では、韓国・台湾・香港が引き続き重要な販売先として位置づけられています。地理的な近さや日本製品への信頼が、越境ECを始める際の足がかりとして有効です。
(参照:JETRO|2025年の農林水産物・食品の輸出実績解説) - 中国市場では、子どもを持たないDINKs世帯やエンプティネストと呼ばれる高齢世帯を中心にペットへの支出が拡大しており、2025年の中国城鎮ペット(犬猫)消費市場規模は3,126億元に達しました
(参照:JETRO|2025年中国ペット産業年次大会開催)。 - 東南アジア市場では、少子化が進みペットを育てる世帯が増えているタイなどで販路拡大のチャンスがあります。犬の人気が高かったが、近年猫の人気が急上昇しているのも特徴です。
(参照:JETRO|急成長するペット関連市場) - 欧米市場は成熟していますが、健康志向と環境意識の高まりが購買行動に影響しています。植物性原料やクリーンラベル、持続可能なパッケージへの対応が競争力になります(参照:amcor|Why Sustainable Packaging Is a Game-Changer for Pet Food)
2. ターゲット国別の販売戦略は?
越境ECでペットフードを展開する際は、ターゲットとなる国ごとの文化・購買行動・市場成熟度を理解することが重要です。ここでは、すでに輸出実績のある東アジア圏に加え、今後の成長が見込まれる中国、東南アジア、北米・欧州の販売戦略を取り上げます。
- 韓国・台湾・香港:現時点での主力市場
地理的な近さと日本製品への信頼から、すでに一定の需要が根付いています。越境EC参入時はまずこれらの市場向けにテストマーケティングを行い、実績を積み上げてから他地域へ展開する戦略が有効です。 - 中国:爆発的な需要と「エンプティネスト」世代の購買力
購買力のある世代が牽引しており、安全性・機能面が強みの高価格帯商品が受け入れられやすい土壌があります。Tmall GlobalやJD Worldwide、TikTok Shopでのライブコマース施策やインフルエンサーコラボ施策で、原材料の透明性や製造工程の清潔さを可視化しましょう。 - 東南アジア:成長中の中間層とブランド志向
SNSやレビューを通じて情報収集し購買を判断する傾向があるため、ローカル言語での情報発信やInstagram・Facebook広告が有効です。ShopeeやLazadaといった地域特化型ECモールの活用も、物流・決済面での障壁を下げる手段としておすすめです。 - 北米・欧州:価値観重視の成熟市場
北米や欧州では健康や環境に配慮した商品が評価されています。オーガニック認証やグレインフリー、ベジタリアン対応など、ライフスタイルに合致した商品設計が重要です。ブランドのストーリーへの共感・支持が購買意欲に影響するため、フードが生まれた背景や思いを丁寧に伝えましょう。
(参照:amcor|Why Sustainable Packaging Is a Game-Changer for Pet Food)
3. 販売チャネルの選び方と主要プラットフォーム比較
越境ECの始め方は、越境ECモールへの出店、自社ECサイトの越境化(新規構築/バナーサービス導入)の主に3つです。自社の状況や予算に合わせて無理なく参入できるよう、まずは参入方法ごとの難易度と特徴をおさえましょう。
越境ECモール:購買力を活用
モール型の越境ECは、既に多くのユーザーが集まっており、商品を出品するだけで一定の認知と信頼を得られる点がメリットです。特に新規参入者にとって、スタートダッシュを図るには有効な手段です。
- Tmall Global(天猫国際)
中国市場向けの代表的な越境ECモールです。審査は厳しいものの、日本製品への信頼が高く、プレミアム商品の販売に適しています。 - JD Worldwide(京東国際)
物流に強みがあり、高品質な商品を好む中国の富裕層をターゲットにするなら検討する価値があります。 - Shopee/Lazada
東南アジア地域向けです。現地ユーザーが多く、スマホ経由での購入が一般的で、プロモーションやクーポン施策が集客の鍵になります。 - Amazon
北米や欧州市場で幅広い層にリーチできます。信頼性とレビュー文化を活かしやすい点が特徴です。
自社EC構築:ブランド価値を伝える
Shopify、BASE、Magentoなどのツールを使えば、比較的簡単に自社ECサイトを立ち上げられます。ただし、トラフィックを自分で集める必要があるため、SEO、SNS、広告運用などのマーケティング施策が必須です。
越境ECバナーサービス:手軽に試せる
現在運用している国内向けの自社ECサイトに専用のタグを1行追加するだけで、サイトを丸ごと海外対応させる最新かつ最も簡単な手法です。 言語翻訳や多通貨決済の導入、海外配送、カスタマーサポートなどをすべて外部システムが自動で代行してくれるため、手間が少ない点がメリットです。
4. ペットフード輸出に必要な規制と手続きは?
ペットフードを越境ECで海外に販売する際は、「売る」ことだけでなく「輸出する」ための法的手続きや規制を理解し、準備する必要があります。国によってルールは異なりますが、共通して重要なのは「安全性・成分表示・輸送管理」です。
韓国・台湾・香港:現在の主力輸出先
台湾向けでは、製品の原材料や動物由来成分の有無で輸入条件が変わるため、最新情報を確認しましょう。特に動物由来原料を含む場合は、製造工場の認定や検疫条件の確認が重要です。
韓国・香港も同様に検疫・表示規制があるため、既存の輸出実績がある事業者の情報を参考にしながら準備を進めましょう。
(参照:JETRO|台湾のペットフードの輸入規制、輸入手続き)
中国:輸出入の許認可が複雑な最難関市場
中国はペットフードの品目区分ごとに輸入規制が異なります。初回輸入時に登録が必要なのは主にペット配合飼料とペット添加物予混合飼料で、ペット間食は輸入前登録が不要です。輸入を予定する製品カテゴリを先に確定し、必要書類と登録要件を確認する必要があります(参照:JETRO|中国のペットフードの輸入規制、輸入手続き)。
北米・欧州:成分規制とサステナビリティ要求
アメリカや欧州では消費者保護が強化されており、特定の成分に対する制限や認証義務が設けられています。FDA(米)やFEDIAF(欧)による成分基準の遵守、「メイド・イン・ジャパン」表示の正当性、サステナブル素材・リサイクル対応の包装要件に注意しましょう。
5. まとめ|ペットフードの海外販売成功を成功させる3つのポイント
ペットフードの海外販売には、高価格帯商品の価値を伝えるブランディングや法規制が重要になります。以下のポイントを軸に、海外販売戦略を検討しましょう。
- 徹底した規制確認
輸出先の法規制を事前に精査し、安全に輸出できる体制を構築しましょう。 - ストーリーを通じた「体験」の提供
商品が生まれた背景やストーリーを伝えるブランディングを行い、現地消費者のライフスタイルに合わせた提案を行いましょう。 - 自社に合う販売チャネルの構築
自社の現在のリソースや、今後の事業拡大を見据えたうえで必要なチャネルを選びましょう。どのチャネルでも、まずはスモールスタートから始めるのが鉄則です。
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