
タイ越境EC市場の最新動向|市場規模・消費者傾向・競合を解説
タイのEC市場は東南アジア地域で第2位に位置し、2023年には約3,600億ドルという大きな市場価値を誇りました。この計り知れない可能性により、今、日本の企業が越境ECに取り組むことは非常に狙い目だと考えられます。タイの消費者は、日本製品の中でも特に電化製品、化粧品、ファッションに対して興味・関心が高い傾向です。
具体的な詳細を掘り下げる前に、タイ市場の概況を見てみましょう。
1. タイ市場の概況
1-a. 人口動態
- Worldometer による最新の国連データに基づくと、タイの現在の人口は、2024年4月 9日(火)の時点で7,186万人です。
- タイの人口の51.5%が女性で、48.5%が男性です。
- 人口の52%が都市部 (2023年は37,322,064人)に居住しています。
- タイの平均年齢は 40.2 歳です。
- 2024年初頭のタイのインターネット利用者数は6,321万人で、インターネット普及率は88%です。そのうち、68.3%がSNSを使用しています。
- 2024年初頭のタイでは合計9,781万が携帯電話を所持しており、総人口の 136.1%に相当します。
タイの人口別主要都市1位から5位までを紹介します。(自治区、地区、都市集積地などを含む)
| 順位 | 都市名 | 人口(人) |
| 1位 | バンコク | 5,104,476 |
| 2位 | サムットプラーカーン | 388,920 |
| 3位 | ムアンノンタブリー | 291,555 |
| 4位 | ウドーンターニー | 247,231 |
| 5位 | チョンブリー | 219,164 |
1-b. 経済
2024年のタイ経済は緩やかな回復と成長が見られており、タイ銀行はGDP予測を下方修正しました。しかし、スマホ決済のようなデジタルウォレットが利用されることで、GDP成長率は3.8%まで上昇すると予測されています。かつては主要な経済的原動力であった観光業は、中国人観光客の減少や、経済減速、財政危機などの要因によってもたらされる課題により、依然として懸念が残っている状態です。
2021年8月の為替レートによると、タイの平均年収は1,160,000バーツ(34,342USドル)でした。タイの平均給与を他の国の平均給与と比較する場合、生活水準、通貨価値、全体的な生活水準などさまざまな経済的要因を考慮することが必要となります。
以下は、タイの給与と他国の給与を比較した表です。
| 国 | 平均月給(現地通貨) | 平均月給(USドル・PPP調整後) |
| タイ | 20,000 – 100,000 THバーツ | 600 – 3,000 USドル |
| アメリカ | 3,000 – 6,000 USドル | 3,000 – 6,000 USドル |
| オーストラリア | 4,000 – 7,500 AUドル | 2,800 – 5,300 USドル |
| イギリス | 2,000 – 4,000 ポンド | 2,600 – 5,200 USドル |
| シンガポール | 3,000 – 7,000 SGドル | 2,200 – 5,200 USドル |
| インド | 20,000 – 150,000 INルピー | 270 – 2,000 USドル |
購買力平価 (PPP) によると、タイはヨーロッパ諸国と比較して生活費が低いようです。しかし、名目給与は低くても、購買力は比較的高い傾向があります。
1-c. 上位の競合他社
タイのEC業界の状況は多様で競争が激しく、国内外の企業がタイの市場シェアを争っています。 タイのEC市場における主な競合は次のとおりです。
- Shopee thailand:Sea Limitedが運営するShopeeは、タイ有数のECプラットフォームの1つで、電化製品、ファッション、美容、食料品など幅広い製品とサービスを提供しています。
- Lazada:アリババグループが所有するLazadaも、タイのEC市場の主要企業です。豊富な製品と多様な支払いオプションを備えた総合的なオンラインショッピングモールです。
- AliExpress:アリババグループが所有する越境ECプラットフォームであるAliExpressもタイ市場で競合しています。中国や海外の販売者からの幅広い製品を安価で提供しています。
タイでは、確立されたECプラットフォームに加えて、海外から商品を輸入する個人販売者の存在も顕著です。個人販売者は、関税に引っかからないことが多いため、消費者にとって魅力的な低価格で販売をしています。この市場として確立していない個人販売は、手頃な価格とSNSのようなプラットフォームを介して売り手と直接コミュニケーションができる利便性により、タイの消費者の間で人気があります。
2. ZenMarket情報
次に、ZenMarketから見たタイユーザーの購入動向を詳しく見てみましょう。
2-a. ユーザーの人口統計

2024年のデータによると、ユーザーの大部分はバンコクに居住しており、男性と比較して女性ユーザーの割合が高い状態です。
さらに、ユーザーの年齢層は主に45歳から54歳の層が多く、ZenMarket のサービスを積極的に利用しているのは、『バンコク在住の中年女性』が多いことがわかります。
2-b. 人気の商品

ZenMarketを利用しているタイの消費者の間では、下記のようなカテゴリに大きな需要があると見込まれています。
- アニメ・ファングッズ:タイの消費者は安価なフィギュアをまとめ買いすることが多いです。また、熱心なファンの多いアニメは、季節限定のファングッズがバイヤーに人気です。
- アイドル・成人向けグッズ:アイドルの高額なトレーディングカードやセクシーなフィギュアなどは成人層のニッチな関心に応える物として、個人バイヤーから求められています。
- ガジェット:レトロなデジタルカメラやブランド時計の大量購入は転売業者が独占しています。珍しいアイテムで収集価値のある商品を探している層に向けて、バイヤーが関心を持っています。
全体として、ZenMarketのタイユーザーにとって購入意欲が高い商品は、少数の大量購入を行うバイヤーの好みによって左右されています。特にアニメ・ファングッズやガジェットのカテゴリにおいては、顕著に表れていると言えます。
2-c. 購買傾向
タイの消費者は高い割引率、特に50%引きを超えるクーポンに非常に惹かれており、ZenMarketが割引キャンペーンを開始するまで購入を待つことが多くあります。最も人気のあるストアは、Yahoo!オークションとメルカリです。この2サイトは、日本で販売されていた限定商品を低価格で購入できる場として知られています。
興味深いことに、長期休暇中、タイのユーザーはオンラインショッピングを減らし、旅行など他のアクティビティにお金を使う傾向があります。日本は、格安航空券を利用できる上に飛行時間が約5~6時間と比較的短いため、タイの旅行者にとって魅力的で一番人気のある旅行先となっています。
3. キーワード
ユーザーがGoogle広告を通じてZenMarketにアクセスするために頻繁に検索をする人気のキーワード トップ10は次のとおりです。
- 楽天
- สั่งของจากญี่ปุ่น (日本からのお取り寄せ品)
- アマゾンジャパン
- メルカリ
- 産地直送 สินค้าญี่ปุ่น (日本商品の産地直送)
- DHC
- ราคาการ์ดโปเกม่อน (ポケモンカードの価格)
- ABCマート
- 駿河屋
- โมเดลวันพีช (ワンピースフィギュア)
※実際には、英語やタイ語で検索されています。
4. まとめ
タイのEC市場は日本企業にとって非常に狙い目だと考えられます。タイの消費者は日本製品の中でも特に電子機器やアニメ・ファングッズを求める傾向が高いです。
タイ市場に関する消費者動向を調査するうえで、タイ市場の概況や、ZenMarketのタイユーザーから得られた越境ECを利用するユーザー層、人気製品、購買傾向に焦点を当てたデータをまとめました。
今回提供した知識や情報を武器に、日本企業は益々発展すると考えられるタイのEC市場に戦略的に参入することができるでしょう。
新たな販路を切り開き、日本からタイへ、ビジネスをさらに広げる準備をしましょう。




