
模倣品の輸入差止め、上半期過去最高=点数は前年比3.3倍・中国が8割超
財務省は4日、2026年(令和8年)上半期の税関における知的財産侵害物品の差止状況を公表した。輸入差止件数は1万9568件、輸入差止点数は138万6640点で、いずれも上半期として過去最高を記録した。
模倣品の輸入差止め、点数の急増は大口貨物が牽引
差止件数の前年同期比は12.6%増にとどまる一方、点数は225.7%増と大きく伸び、上半期として初めて100万点を超えた。財務省の資料によれば、点数の80.1%を一般貨物が占め、前年同期比278.6%増となった。
品目別では「シール、ステッカー」が65万5436点、「ホットアイマスク」が50万7168点に上り、この2品目で全体の8割超を占めた。権利別でも、意匠権侵害物品(いわゆるコピー商品・海賊版など)の点数が前年同期比1266.5%増と突出している。郵便物を中心に幅広く分布する件数に対し、点数の急伸は特定品目の大口貨物に偏っている。
中国仕出しが件数の8割超、安全リスク品も継続
仕出国・地域別の差止件数は、中国が81.9%(1万6026件)で最多となり、シンガポールが5.2%、ベトナムが3.9%で続いた。点数においても、中国は88.3%と大多数を占めている。財務省は、使用や摂取により健康・安全を脅かす危険性がある「化粧品」「食品」「電池」などの侵害物品の差止めが引き続き確認されたとしている。輸送形態別の件数は郵便物が78.2%、一般貨物が21.8%だった。
差止めの根拠となる商標権侵害物品は件数全体の86.1%を占め、偽キャラクターグッズなどの著作権侵害物品も前年同期比176.4%増と伸びた。1日平均に換算すると、108件・7660点を差し止めた計算になる。
越境EC事業者の仕入れ貨物にも及ぶ差止め
点数の増加を牽引したのは小口の郵便物ではなく一般貨物であり、在庫を輸入・仕入れる越境EC事業者が用いる商業貨物の流れと重なる。安全面のリスクがある品目の差止めも続いており、侵害品を含む貨物は輸入者を問わず差止めの対象となる。自社ブランドを扱う事業者は、商標権や意匠権の権利者として輸入差止申立ての制度を利用でき、その際は正規品と侵害品を見分ける識別資料が真贋判定の根拠となる。
一方、今回の統計は水際で差し止めた物品に限られ、海外モールや国内で流通する模倣品を捕捉するものではない。財務省によると、件数・点数がともに上半期の過去最高となるのは、統計の公表を開始した1993年(平成5年)以降で初めて。




