SBI、BASEと資本業務提携でTOBで株式20%取得=Eコマースと金融の大手が融合

SBI、BASEと資本業務提携でTOBで株式20%取得=コマースと金融の大手が融合

Published On: 2026-08-31|Last Updated: 2026-09-09|Categories: ニュース|By |

SBIホールディングスは28日、ネットショップ作成サービスを運営するBASEと資本業務提携契約を結んだ。子会社を通じたTOB(株式公開買付け)で発行済み株式の最大20%を取得し、BASEを持分法適用関連会社とする。買付けは8月31日に始まった。提携後もBASEの上場と経営の自主性は維持される。

1株340円で20%取得、上場は維持

TOBを実施するのは、SBIホールディングスの完全子会社SBIERが全持分を保有するSBINM合同会社。

両社の開示によると、買付価格は1株340円、買付予定数の上限は2379万2300株(所有割合20.00%)で、下限は設けていない。買付期間は8月31日から9月30日までとする。取得額は約80.8億円になるとされる。SBIHDは第三者割当増資も検討したが、既存株主の持ち株比率が大幅に希薄化する恐れがあると判断し、TOBを選んだ。買付予定数の上限も、グロース市場の上場維持基準である流通株式比率25%以上を安定して確保できる水準にとどめた。

上場廃止は企図していない。BASEはTOBに賛同する一方、応募の是非は株主の判断に委ねる中立の立場を表明した。経営体制の変更は現時点で決まっていない。

IP収益化とフィンテック融合が柱

業務提携は大きく2つの柱で構成する。第1が「ネオメディア事業の共同展開」だ。SBIグループは2025年5月に設立したSBIネオメディアホールディングスを軸に、金融機能や顧客接点と、IP(知的財産)、タレント、コンテンツ、制作・発信機能を組み合わせる「ネオメディア生態系」の構築を進めてきた。今回の提携では、こうしたIPやコンテンツにBASEが持つコマース・決済の基盤を掛け合わせ、商品やサービスの企画から販売、流通、決済までの収益化を図る。第2の柱は金融・決済サービスの機能強化で、コマースと金融を融合したフィンテック事業を共同で展開する。

BASEはネットショップ作成の「BASE」に加え、決済の「PAY.JP」、資金調達の「YELL BANK」などを抱える。2026年4月にはエンタメテックのPort(1対1ビデオ通話「Talkport」やエンタメ物販の「Shoport」を運営)をM&Aで取り込み、非物販領域にも基盤を広げていた。業務提携の効力発生日は、TOBの決済開始日以降を予定する。

越境EC「want.jp」への波及が焦点

BASEグループは、日本のEC事業者の越境販売を支援する「want.jp」を提供しており、今回の資本・業務両面での連携は越境ECの周辺領域にも波及し得る。コマースと金融の融合が進めば、海外向け決済や資金調達の選択肢が広がる可能性がある。SBIグループが持つIPやコンテンツを国内外で販売・流通させる構想も、日本発コンテンツの海外展開を目指す事業者にとって、新たな販路の選択肢となり得る。

ただし、両社は具体的なサービス設計や越境EC分野での施策を明らかにしておらず、経営体制の変更も未定としている。越境EC支援のwant.jpはBASEの関係会社が運営しており、今回の提携が既存サービスにどう反映されるかは、今後の開示を待つことになる。

SBI Holdings has entered into a capital and business partnership with BASE, acquiring up to 20% of its shares through a tender offer. The collaboration aims to enhance fintech services and expand the Neo Media ecosystem, while ensuring BASE maintains its independence and public listing. This deal is expected to strengthen cross-border e-commerce initiatives as well.

この記事を書いた人

森 茂樹

元Web3ニュースメディア編集長。日本とオーストラリアで20年以上にわたり、記者・編集者、翻訳者、Webプロデューサーとして活動。日本ではエンターテインメント「ザテレビジョン」(KADOKAWA)ほか、豪州では「日豪プレス」の記者・編集者として従事した。

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