
越境ECの高級ブランド需要を購入データで探る―ルイ・ヴィトンに関心集まる=ZenLuxe
越境EC支援を手がけるZenGroupは6日、運営する越境ECモール「ZenLuxe(ゼンラクス)」における購入前行動データを分析したレポートを公開した。海外ユーザーのウィッシュリストとカート追加を集計し、関心を集めたブランドやバッグの種類を明らかにした。最も関心を集めたのはルイ・ヴィトンで、販売先は北米が全体の4割を占めた。円安を背景に、日本発の中古購入ブランド品の需要動向を映している。
購入前行動が映すブランド別の傾向
ZenGroupが公開したレポートは、同社が運営する高級ブランド専門の越境ECモール「ZenLuxe(ゼンラクス)」上で、2026年7月の1カ月間に記録されたバッグカテゴリーの購入前行動を集計したもの。ウィッシュリスト(お気に入り登録)とカート追加という2つの行動データを分析し、海外ユーザーの関心の所在を探った。同社は、この分析が自社サイト内のデータに基づくものであり、市場全体の傾向を示すものではないと断っている。
分析によると、ウィッシュリスト、カート追加ともにルイ・ヴィトンが最多で、海外ユーザーの関心を集めた。ウィッシュリストではルイ・ヴィトンが38.7%で首位、シャネルが15.3%、グッチが13.2%、エルメスが9.9%と続いた。一方、カート追加ではルイ・ヴィトンが33.4%で変わらず首位だったが、2位はグッチ(12.5%)、3位はシャネル(10.1%)と、順位が入れ替わった。関心を持つ段階と購入を具体的に検討する段階とで、ブランドごとに消費者の行動が異なる可能性がうかがえる。

カート追加でカテゴリーが多様化
ブランド別にバッグの種類を見ると、関心の広がり方にも差がある。
ルイ・ヴィトンはショルダーバッグ(37.5%)を軸に、トートバッグやポーチなど複数の種類に関心が分散した。これに対しグッチは、ショルダーバッグ(41.8%)とトートバッグ(29.3%)に集中する傾向がみられた。シャネルもショルダーバッグ(43.8%)が中心だった。
購入検討がより進むカート追加の段階では、構成比が変化する。ルイ・ヴィトンではハンドバッグが最も高い構成比(34.6%)となり、ショルダーバッグ中心だったお気に入り登録の段階とは異なる動きを示した。ただし同社は、こうしたカテゴリー構成が掲載商品の在庫状況などの影響も受けると付言している。2つの指標の差は、消費者が「憧れ」として眺める対象と、実際に購入を検討する対象とが必ずしも一致しないことを示唆する。

販売先は北米が4割、欧州は3割
2025年4月のサービス開始から2026年6月末までの取引実績では、国別で米国が最大の販売先となり、全体の約37.4%を占めた。オーストラリア、スペイン、シンガポール、カナダが上位に続いた。地域別では北米が42.9%と最も多く、欧州が33.0%、アジア・太平洋が19.5%だった。
こうした需要の背景には、円安と、日本の中古品の品質に対する海外での評価がある。「Used in Japan」と称される日本の中古ブランド品は、状態の良さや真贋の信頼性から一定の支持を得ているとされる。
国際物流では、関税や各国の輸入規制、真贋保証への対応が越境ECの実務上の課題となる。ZenLuxeは海外送料の無料化などで参入障壁を下げてきた。購入前行動という新たな切り口のデータは、出品事業者にとって品ぞろえや価格設定を検討する手がかりとなり得る。







