
日本郵便、EU郵便の関税支払いにDDP・DAP導入―Zonosアプリで対応
日本郵便は10月1日、EU加盟国向けの国際郵便について、関税等の支払い方法をDDP(差出人による事前払い)とDAP(受取人払い)のいずれかで国別に案内すると発表した。DDPを利用する場合は、米国企業Zonosが提供するアプリやAPIを通じて、関税の計算から事前払い、配送ラベルの作成までを差出人自身が行う必要がある。
DDP・DAP、対応は国によって分かれる
DDPに対応できるのは、イタリア、エストニア、オランダ、スウェーデン、スペイン、スロバキア、マルタの7カ国にとどまる。残るアイルランドやドイツ、フランスなど21の国・地域は、受取人が関税を支払うDAPのみの対応になる。DDPを選ぶ場合、Zonosアプリやウェブ版ダッシュボード、CSV一括アップロード、APIのいずれかで申告・事前払い・ラベル作成を行う仕組みだ。ただし郵便局窓口のタブレット端末では利用できず、差出人自身のスマートフォンなどでの操作が前提になる。対応方法が国によって分かれているため、主要取扱国ごとにどちらを使えるかあらかじめ確認しておく必要がありそうだ。
参照:EUの150ユーロ未満免税措置の撤廃及びIOSS制度を利用する郵便物の関税等支払方法(DDP/DAP)のお知らせ
ラベルの二重作成に注意、通関トラブルの火種に
なかでも注意したいのが、ラベル作成の手順だ。Zonosアプリで関税の事前申告・支払いを済ませた荷物について、国際郵便マイページサービスで重ねて別のラベルを作成すると、申告番号と郵便物番号の紐づけが切れ、名宛国の税関へ正しく情報が届かなくなるという。関税の仕組み自体はすでに周知されているが、どちらの支払い方法を使い、どの手順でラベルを作るかという実務フローの統一が、発送現場では当面の課題になりそうだ。
背景にあるのは急増する電子商取引小包
今回の変更は、2026年7月1日に撤廃されたEUの150ユーロ未満免税措置を受けたもので、45ユーロ未満・150ユーロ未満のBtoC貨物には原則1点あたり3ユーロの関税がかかっている。一連の制度見直しの背景にあるのが、急増する少額の電子商取引小包だ。EU理事会によると、2025年にはEU域内2,200カ所の税関事務所・8万4,000人の税関職員が約60億個の電子商取引小包を処理し、その9割超が中国からの到着だったという。
Temuが欧州4カ国でEC首位に立つなど、中国発プラットフォームの存在感が増してきたことも、この数字の背景にあるとみられる。免税措置が温床となっていた申告漏れや過少申告を是正するため、EU域外のプラットフォームを輸入者とみなして通関・納税の責任を負わせる仕組みへと転換した経緯があり、欧州委員会もこの変更を「EU域内の小売業とEU消費者を、海外オンラインプラットフォームとの競争激化から守る」ための措置と位置づけている。もっとも、中国発の越境EC航空貨物量は8月に欧州向けで4割減少したとの調査結果もあり、欧州EC市場全体の成長も鈍化し、PPWR規制など新たな対応コストが域外セラーの重荷になりつつある。
Japan Post announced on October 1 that it will provide two payment options—DDP (Delivered Duty Paid) and DAP (Delivered at Place)—for international mail to EU member countries. While DDP will only be available for seven countries, including Italy and Sweden, the remaining 21 countries will only support the DAP method, requiring recipients to pay customs duties. This change is in response to the abolition of the EU’s exemption for packages under €150, amid a surge in low-value e-commerce shipments.




